道を歩いているとき、目の前で誰かが突然倒れたら。
職場やお店で、近くにいた人が胸を押さえてうずくまったら。
家族と過ごしているとき、いつもと違う様子に気づいたら。
その場に居合わせても、「自分にできることはあるだろうか」
「間違ったことをしてしまったらどうしよう」
と、不安で動けなくなってしまうのは自然なことです。
しかし、救急車が到着するまでの間に、その場にいる人が行う通報、胸骨圧迫、AEDの使用が、命をつなぐための大切な支えになることがあります。
救命技術研修は、突然の心停止などに直面したとき、落ち着いて最初の一歩を踏み出せるよう、地域の皆さまと一緒にCPR(心肺蘇生)とAEDの使い方を学ぶ活動です。
特別な資格や医学知識は必要ありません。
実際に身体を動かしながら繰り返し練習し、「見たことがある」から「自分でも行動できる」へつなげていきます。
この活動とは
救命技術研修では、心臓や呼吸が止まっている可能性のある人を発見したときに、その場に居合わせた人ができる基本的な対応を学びます。
主に練習するのは、次の一連の流れです。
専用の練習用人形とトレーニング用AEDを使用し、見るだけではなく、自分の手と身体で流れを体験します。
難しい医学用語を覚えることが目的ではありません。
「どのようなときに助けを呼ぶのか」
「胸のどこを、どのように押すのか」
「AEDの音声案内にどう従えばよいのか」
を、実際の場面を想定しながら身につける研修です。
救急車が来るまでの時間を、地域でつなぐ
心停止は、病院の中だけで起きるものではありません。
家庭、職場、学校、駅、商業施設、スポーツ活動中など、私たちが普段生活している場所でも起こる可能性があります。
そのとき、最初にそばにいるのは医師や救急隊員ではなく、家族、同僚、友人、近隣住⺠など、その場に居合わせた人であることが少なくありません。
救急車を呼んでも、到着までには時間がかかります。
だからこそ、その間に、
1. 異変に気づく
2. 119番へ通報する
3. 胸骨圧迫を始める
4. AEDを使用する
5. 救急隊へつなぐ
という流れを途切れさせないことが重要です。
私たちは、この一連のつながりを地域の中に広げることを目指しています。
なぜ、この活動が大切なのでしょうか
一分一秒が大切になる場面があるからです
心臓や呼吸が止まってしまった場合、時間が経過するほど、命が助かる可能性や、その後に日常生活へ戻れる可能性は低下していきます。
救急隊が到着するまで何もしないのではなく、そばにいる人がすぐに通報し、胸骨圧迫を始め、AEDを使用できれば、その時間を命をつなぐ時間へ変えられる可能性があります。
完璧な技術でなければ意味がないわけではありません。
まず異変に気づき、人を呼び、119番へ連絡する。
それだけでも、重要な行動です。
研修では、一人ですべてを行うのではなく、周囲の人と役割を分けながら対応する方法も学びます。
AEDは、専門家だけが使うものではありません
AEDは、心臓の状態を自動的に確認し、必要な場合に電気ショックを行うための機器です。
駅、学校、商業施設、公共施設、企業など、さまざまな場所に設置されています。
しかし、「置いてある場所は知っているけれど、使い方は分からない」
「触ってはいけない機械のように感じる」
という方も少なくありません。
AEDは、ふたを開けたり電源を入れたりすると、音声で次の操作を案内してくれます。
研修では、実際にパッドを貼り、音声案内に従いながら操作することで、機器に対する不安を減らしていきます。
一度でも触れた経験があることが、いざというときのためらいを少なくする助けになります。
地域に「経験したことがある人」を増やすためです
救命技術は、特定の専門家だけが知っていればよいものではありません。
どこで緊急事態が起きるかは分からず、研修を受けた人が必ずその場にいるとも限らないからです。
しかし、地域の中に、
が少しずつ増えていけば、誰かが行動を始められる可能性も高まります。
一人の高い技術ではなく、多くの人の小さな備えを地域全体へ広げること。
それが、この活動の目的です。
こんな方におすすめです
年齢、職業、運動経験は問いません。
必要なのは、「知っておきたい」「一度やってみたい」という気持ちだけです。
研修で学ぶこと
異変に気づき、安全を確かめる
まず、自分自身と周囲の安全を確認します。
交通、火災、落下物などの危険がある場所では、自分まで事故に巻き込まれないことが大切です。
安全を確認したうえで、倒れている人に声をかけ、反応や呼吸の状態を確認します。
119番通報と周囲への協力依頼
緊急時には、一人ですべてを抱え込まないことが重要です。
研修では、「あなたは119番をお願いします」
「あなたはAEDを持ってきてください」
と、相手を明確に指名して協力を頼む練習をします。
周囲に人がいない場合の対応や、電話をスピーカーにして通信指令員の指示を受ける方法についても確認します。
胸骨圧迫
練習用人形を使い、胸骨圧迫の位置、姿勢、深さ、テンポを体験します。
胸骨圧迫を続けるには体力が必要です。
複数人で交代する方法や、疲れてきたときに質を保つための考え方も学びます。
腰や膝に不安のある方には、無理のない範囲で参加できる方法をご案内します。
AEDの使用
トレーニング用AEDを使用し、次の流れを実際に体験します。
機器が判断する部分と、人が行う部分を分けて理解します。
救急隊への引き継ぎ
救急隊が到着したら、何が起きたのか、どのような対応を行ったのかを伝えます。
など、分かる範囲で伝えることが大切です。
当日の流れ
STEP 01|導入・救命の基本
救急車が到着するまでの対応がなぜ重要なのかを、分かりやすく説明します。
不安や疑問を確認しながら、緊張をほぐして研修を始めます。
STEP 02|気づく・呼ぶ
倒れている人を発見した場面を想定し、安全確認、反応の確認、119番通報、AEDの手配までを練習します。
STEP 03|胸骨圧迫の練習
練習用人形を使い、手の位置、身体の使い方、圧迫のテンポを繰り返し体験します。
STEP 04|AEDの操作
トレーニング用AEDの音声案内に従い、パッドを貼り、電気ショックの操作までを体験します。
STEP 05|一連の流れを実践
倒れている人を発見してから、通報、胸骨圧迫、AED、救急隊への引き継ぎまでを通して練習します。
STEP 06|質問・振り返り
子どもへの対応、家庭での事故、職場での役割分担など、参加者の疑問にお答えします。
最後に、研修で学んだ流れを確認します。
所要時間・服装について
研修時間は、内容や対象者に応じて、おおむね60〜90分を想定しています。
動きやすい服装でご参加ください。
床に置いた人形を使用する場合があるため、ズボンなど動きやすい服装がおすすめです。
立ち続ける必要はなく、見学を交えながら自分のペースで参加できます。
身体に不安がある方は、受付時または研修前にスタッフへお知らせください。
お子さまの参加について
お子さまには、年齢や体格に応じて、
など、今できる行動からお伝えします。
体格や年齢によっては、胸骨圧迫やAED操作も無理のない範囲で体験できます。
救命研修は、いのちの大切さや、困っている人に声をかけることを学ぶ機会にもなります。
安心して参加していただくために
「うまくできなかったら恥ずかしい」
「体力がないので心配」
「一度説明されただけでは覚えられない」
そのような心配は必要ありません。
この研修は、できるかどうかを評価する試験ではありません。
分からないことを質問し、失敗しながら繰り返し練習する場です。
一度で完璧に覚える必要はありません。
「一度触ったことがある」
「一連の流れを見たことがある」
という経験を持ち帰っていただくことを大切にしています。
行動した人の心も支える
救命の場面に居合わせ、実際に対応した方は、その後に不安や動揺を抱えることがあります。
「自分の対応は正しかったのか」
「もっとできることがあったのではないか」
と、自分を責めてしまう場合もあります。
しかし、緊急時にできることには限界があります。
助けようとして通報し、胸骨圧迫を行い、AEDを使用したこと自体が大切な行動です。
研修では、技術だけではなく、行動した人自身の心の負担についてもお伝えします。
必要に応じて、周囲の人や専門の相談先に話すことも大切です。
参加方法
開催日時、会場、定員については、町内会の回覧、地域掲示板、LINE、メールなどでお知らせします。
開催回によって、事前申込が必要な場合があります。
お申し込み時には、次の内容をご確認ください。
ご家族、ご近所の方、職場の皆さまと一緒にご参加いただけます。
できれば使わない。けれど、知っていることで守れる
ものがあります
救命技術は、できれば一生使わずに済むことが一番です。
それでも、もしものときに、「何も分からない」
ではなく、「まず人を呼ぼう」
「119番へ連絡しよう」
「胸骨圧迫を始めよう」
と、一歩を踏み出せることは、大きな備えになります。
完璧である必要はありません。
ためらいながらでも、誰かのために動こうとすることに意味があります。
私たちは、地域の中にその小さな勇気と経験を増やしていきます。
この活動への参加・相談について
救命技術研修の開催情報や参加方法は、LINEまたはメールでお知らせします。
地域、学校、職場、団体での開催についてのご相談も受け付けています。
開催情報、参加方法、研修内容についてはこちらからご連絡ください。
LINEをご利用でない方は、メールからもご連絡いただけます。
ご利用にあたって
本研修は、一般市⺠が行う一次救命処置について学ぶ健康・安全教育活動です。
医療資格の付与や、医療行為の実施を目的としたものではありません。
研修内容は、開催時点の一般的な救命手順や関連ガイドラインをもとに構成します。
実際の緊急時には、周囲の安全を確認し、119番通報を行い、通信指令員や救急隊の指示に従ってください。
持病や身体面に不安がある方は、無理のない範囲でご参加ください。

